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【漫画アニメ百科】マキマ – 『チェンソーマン』

チェンソーマン
【漫画アニメ百科】マキマ – 『チェンソーマン』

基本プロフィール

マキマは、漫画『チェンソーマン』に登場する主要キャラクターです。公安対魔特異4課に所属するデビルハンターであり、内閣官房長官直属のリーダーという要職に就いています。物語の序盤から、主人公デンジを公安にスカウトし、彼の上司かつ保護者のような存在として振る舞います。

表向きはミステリアスな人間の女性ですが、その正体は「支配の悪魔」という、恐怖の概念に由来する強力な悪魔です。年齢、身長、体重といった個人データは一切不明で、公式プロフィールでも「すべて不明」とされています。アニメ版での声優は楠木ともりが担当しています。

外見の特徴

端正で整った容姿を持つ美人として描かれています。特徴的なのは、後頭部で三つ編みにされた桃色の髪と、大きくぱっちりした瞳です。クールな印象を与えつつも、どこか可愛らしさを感じさせる絶妙なバランスが彼女の魅力の一つです。

彼女の瞳には、輪がいくつも重なったような同心円模様が描かれており、これは他の高位の悪魔にも見られる共通の特徴です。普段は白いシャツに黒いネクタイとスラックスという公安の制服を着用していますが、イラストなどでは黒いトレンチコートを羽織る姿も見られます。

性格・思想

マキマは、表面的には穏やかで面倒見の良い上司として振る舞いますが、その裏には極めて冷酷で狡猾な本性を隠しています。デンジに対しては優しく接する一方で、自身の目的のためには非情な判断をためらいません。例えば、「使えない犬は安楽死させられるんだって」といった容赦のない言葉を投げかけ、必要と判断した相手は命令一つで意のままに操ります。

彼女の真の目的は、「より良い世界を作るため」に悪魔を根絶することです。その手段として、チェンソーマンに悪魔を食べさせることで、その悪魔の存在そのものを消滅させられると考えています。この目的を達成するため、彼女は長きにわたり、デンジとポチタ(チェンソーマン)の契約を無効にし、チェンソーマンの力を完全に支配しようと画策していました。

能力・契約悪魔・強さ

マキマの能力は、彼女の正体である「支配の悪魔」に由来します。彼女は、自身が格下だと認識させた存在の意思や行動を、“命令”の一言で完全に操ることができます。この命令は絶対であり、「これは命令です」と告げられれば、対象は人間、魔人、悪魔を問わず逆らうことはできません。

作中では、早川アキが契約していた「狐の悪魔」「呪いの悪魔」「未来の悪魔」を瞬時に呼び出し、自らに従わせました。さらに、これらの悪魔を融合させて巨大な生物を生み出し、「銃の悪魔」を圧倒するなど、その力の規格外な一面を見せています。

加えて、彼女は内閣総理大臣との契約により、自身への攻撃を無作為な日本国民の事故や病気に転換させるという特殊な保護を受けています。この能力により、通常の攻撃では死ぬことがなく、実質的に不死身に近い存在となっており、作中でも最強クラスの力を持つキャラクターとして描かれています。

物語上での役割と主要な出来事

マキマは物語の第1話から登場し、主人公デンジを公安対魔特異4課にスカウトして部下とします。物語を通じてデンジにさまざまなミッションを与え、時には厳しく叱咤しながらも彼を育て上げ、表向きは保護者のような役割を演じます。

しかし、その真の目的はデンジの体内にいるチェンソーマンを利用し、ポチタとの契約を破棄させることでした。物語の終盤、彼女は自ら銃の悪魔との戦闘に介入し、早川アキの契約悪魔たちを動員して銃の悪魔を圧倒します。そしてついに、デンジとの最終決戦が勃発。デンジはポチタの力を借りてチェンソーマンとなり、激闘の末にマキマに勝利します。

敗北したマキマは切り刻まれて再起不能な状態となり、デンジによって食べられるという衝撃的な結末を迎えます。このシーンはファンの間で「マキマ定食」と呼ばれています。物語の第一部でマキマは死亡しますが、第二部では、かつての支配の悪魔が「ナユタ」という少女の姿で転生し、再び物語に登場します。

名言・名シーン

  • 「死体が喋っている」

    8巻でクァンシとの戦闘中に放ったセリフ。かつて敵対する魔人が中国語で発した嘲笑の言葉を皮肉たっぷりに引用し、マキマの底知れない恐ろしさと支配者としての格の違いを読者に印象付けました。

  • 「忘れたの?キミは私に飼われているんだよ、返事は『はい』か『ワン』だけ」

    1巻でのデンジとの会話。優しく世話を焼く一面を見せながらも、この一言でデンジとの絶対的な主従関係を突きつけます。物語を読み進めて彼女の正体を知った後では、その「支配者」としての冷酷さが際立つ名言です。

  • 「使えない犬は安楽死させられるんだって」

    1巻でデンジに「悪魔退治に一人で行け」と命じた直後に放ったセリフ。直前までの優しさを一瞬で覆すこの言葉は、マキマの功利的な価値観を色濃く示しており、デンジに深いトラウマを植え付けました。

裏設定や制作秘話

作者・藤本タツキ氏によれば、マキマという名前は「『マ』と『マ』の間の“木(キ)”をチェーンソーで切るとママ(母)になる」という言葉遊びから着想を得たものです。この命名が示唆するように、デンジはマキマに対して恋愛感情ではなく、無意識に母性的な感情を抱いていたとされています。

また、『チェンソーマン』にはキリスト教的なモチーフが散りばめられており、マキマは「ヨハネの黙示録」に登場する「四騎士(支配・戦争・飢餓・死の悪魔)」の「支配」に相当します。ビジュアル的にも、他の三騎士(戦争、飢餓、死)と同じ同心円状の瞳を持つという共通点があります。これらの設定から、マキマは母性と支配欲を象徴的に併せ持つキャラクターとして描かれています。

ファンからの人気・評価

マキマは作品内でも屈指の人気を誇り、公式キャラクター人気投票では常に上位にランクインしています。第1回公式キャラクター人気投票では27,224票を集めて2位に輝き、「美しさの裏にある謎も怖さもすべてが魅力」と評されました。また、第一部完結後に行われた第2回投票でも76,733票を獲得して2位を維持し、「壮絶な結末に堕ちてなお、読者への支配力は揺るがない!」と称賛されています。

彼女のミステリアスで魔性的な魅力は多くの読者を惹きつけ、「飼い犬志望者が多い」と言われるほど、デンジと同様に彼女に心酔するファンを生み出しました。その人気の高さは、各種ネット投票でも常に上位に入っていることからも伺えます。

他キャラクターとの関係性

マキマは、多くのキャラクターと複雑な関係性を築いています。

  • デンジ
    公安デビルハンターにスカウトし、自身に尽くす部下として扱いますが、その真の関心はデンジ自身よりも彼の中のチェンソーマンにありました。一方、デンジは幼少期の孤独からマキマに絶対的な信頼と愛情を寄せ、彼女の言葉を忠実に聞く「犬」として振る舞います。
  • 早川アキ
    彼がマキマに抱く恋心を利用し、最終的にデンジに絶望を与えるための「駒」として冷徹に扱いました。
  • パワー
    マキマの指導下に置かれ、デンジとバディを組むことで深い絆を築きました。しかし、マキマは序盤でパワーが命を落とす事態に間接的に関与しており、その絶大な権力を見せつけます。最終的にパワーはマキマの支配に恐怖しながらも、デンジを助けるために反旗を翻しました。

これらの関係性から、マキマは他者を利用する冷徹さを見せる一方で、デンジや部下たちにとってはかけがえのない「恩人」であり「母」のような存在でもありました。この多面性が、彼女のキャラクター像をより一層複雑で魅力的なものにしています。

考察・解釈

マキマは、作中で様々な象徴や伏線を担うキャラクターです。彼女が具現化する「支配」という概念は、人々が抱く「支配・征服への恐怖」に由来しています。第二部ではヨハネの黙示録に登場する四騎士の悪魔が姉妹として描かれ、マキマはその中で最若年の「第四女」とされています。

作者の言葉通り、彼女の名前には母性のイメージが込められており、デンジは彼女を無意識に母親のように見なしていました。デンジがマキマに捧げる歪んだ愛は、「支配欲の暴走」や「依存」のメタファーとしても解釈されています。こうした要素から、マキマは「母的な優しさ」「絶対的な権力」という二面性を体現し、『チェンソーマン』における“魔性のヒロイン”として読者に多層的な解釈を促す存在となっています。

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