
『ダンダダン』の最終兵器ヒロイン、バモラはなぜ俺たちの心を掴むのか?怪獣スーツに隠された“魂”の物語
ダンダダン
『ダンダダン』という作品は、オカルトとSFをごちゃ混ぜにしたカオスな世界観で、次から次へと魅力的なキャラクターを投下してくることでお馴染みです。
そんな中でも、ひときわ異彩を放ち、今や物語に不可欠な存在となったのが、宇宙人の美少女「バモラ」。
正直に言います。彼女が初めて怪獣スーツを着て登場した時、「また厄介なのが増えたな…」と思ったのは、俺だけではないはずです。
しかし、物語が進むにつれて、その印象は180度変わりました。
彼女は単なる「追加ヒロイン」や「怪獣娘」という枠に収まらない、とてつもなく重いバックボーンを背負ったキャラクターだったのです。
今回は、バモラというキャラクターが持つ多層的な魅力を、彼女の物語を追いながらじっくりと分析していこうと思います。
破壊と再生のアイコン? ギャップ萌えの暴力が俺たちを襲う
第一印象は「迷惑系巨大怪獣」
バモラの初登場は、まさに衝撃的でした。
団地に現れた巨大な怪獣。その姿は、特撮ファンなら誰もがニヤリとするであろう、かの古代怪獣ゴモラとどくろ怪獣レッドキングを足して2で割ったようなデザイン。
光学迷彩で姿を消し、圧倒的なパワーでモモとオカルンを追い詰める様は、完全に敵役のそれでした。
「おいおい、こんなのと毎回戦うのかよ」と読者が思った矢先、綾瀬家ロボ(という名の仏像ロボ)との激闘の末にスーツが沈黙。
そして中から現れたのは、プラグスーツに身を包んだ金髪ショートの美少女…。
この時点で、俺たちの脳はバグを起こします。「え、中身こんな可愛いの?」と。
この「ゴツい怪獣スーツ」と「華奢な美少女」という極端なビジュアルのギャップ。これこそが、バモラの魅力を語る上で外せない第一のフックと言えるでしょう。
言葉が通じないからこそ伝わる、剥き出しの感情
保護された後も、彼女の奇行は続きます。
地球の言葉が話せず、宇宙語で何かを訴えるものの、シャコの翻訳機ですら満足に翻訳できない始末。
そんな彼女が最初に覚えた地球の言葉が「タコヤキ」。星子さんが出してくれたたこ焼きを、満面の笑みで頬張る姿は、それまでの戦闘狂っぷりが嘘のようでした。
そして、自分を倒した(と勘違いした)オカルンにいきなりキスをして求婚。
この一連の流れは、ラブコメ的なドタバタ劇として描かれていますが、今思えば全てが彼女の壮絶な過去に繋がる伏線だったわけです。
言葉が通じないもどかしさの中で、「タコヤキ」「ッテミホイ」「ヤバカタワ!」といった片言の言葉と、豊かな表情だけで感情を伝える彼女の姿に、多くの読者が庇護欲を掻き立てられたのではないでしょうか。
計算された可愛さではなく、生きるために必死な天然の可愛さ。それが初期のバモラの魅力でした。
スパイ疑惑から亡命者へ――物語の核心を突く悲劇のヒロイン
「彼女は我々の先発隊」という絶望
物語が大きく動いたのは、残虐な侵略者集団「深淵の者」の登場です。
彼らが放った一言、「これも全て、バモラのおかげ」「彼女は我々の先発隊のようなもの」。
このセリフは、作中のモモだけでなく、読者の心にも深い疑念を植え付けました。
「まさか、バモラは俺たちを騙していたのか?」「あの笑顔も全部演技だったのか?」と。
瀕死のオカルンを心配そうに見つめるバモラを、モモが突き飛ばしてしまうシーン。あそこは読んでいて本当に胸が締め付けられました。
ようやく見つけた居場所から、スパイの烙印を押され追い出されるバモラの背中は、あまりにも寂しげでした。
この一連のシークエンスは、『ダンダダン』という作品がただのドタバタコメディではなく、人間の猜疑心や絆といったテーマを鋭く描いていることを証明したように思います。
明かされる真実。彼女が背負う「業」と「願い」
しかし、物語は俺たちの浅はかな予想を遥かに超えてきました。
深淵の者との戦いで、モモたちを庇って致命傷を負ったバモラ。その死の間際、モモの念動力を通じて彼女の過去が流れ込んできます。
(短い間だったけど 優しくしてくれた)
(ありがとうモモ ごめんなさい)
(私のせいだ!!私がこの惑星(ほし)に来たからこんな事に!!)
彼女はスパイなどではなかった。それどころか、深淵の者によって故郷と家族を奪われた宇宙人「シュメール人」の最後の子供だったのです。
彼女の行動原理は、母代わりであった「バンガ」に託された、ただ一つの願い。
「強い男と結婚して子孫を残して生き延びろ」
オカルンへの突拍子もない求婚も、性の知識がない彼女が「あれで子供ができるのかな?」と勘違いした結果だったという事実。コミカルに見えた行動の裏に、一族存亡をかけた悲壮な使命があったわけです。
そして、あの怪獣スーツ。あれは深淵の者が同胞を養分にして作り出した侵略兵器であり、それをバンガが奪取したものだったのです。
ターボババアがスーツを見て「人の“業”のようなものが見える」と唾棄したのも、その出自を考えれば納得がいきます。もはや伏線回収のレベルがえげつない。
バモラは、敵のスパイどころか、同じ仇敵を持つ「亡命者」であり、仲間たちの怨念が宿ったスーツを纏う「復讐者」でもあったのです。
新たな家族と共に。戦う少女の未来
真実を知ったモモがブチ切れ、「決定したのは、テメェがたこ焼きになることだぜ」と啖呵を切るシーンは、本作屈指の名場面でしょう。
誤解が解け、バモラは正真正銘、モモたちのかけがえのない仲間となりました。
ただ守られるだけの悲劇のヒロインで終わらないのが、彼女のすごいところです。
スーツを乗っ取られた際には、今度は坂田金太のナノスキンロボ「グレートキンタ」に搭乗し、共闘する熱い展開を見せてくれました。
美少女とスーパーロボット。もはやオタクの好きなものを全部詰め込んだ、公式からのサービスカットです。
戦いが終わった後、彼女は綾瀬家に正式に迎え入れられ、学校にも通い始めます。
日本語も上達し、一人称は「自分」、口調は「~です」と、どことなくオカルンに影響されたであろう話し方になるのがまた微笑ましい。
かと思えば、ターボババアから「クソだらあ」という口癖を伝授されるなど、コメディエンヌとしての側面も忘れていません。
結論:バモラは『ダンダダン』の魂を映す鏡
バモラというキャラクターは、当初の「謎の怪獣娘」というポジションから、物語を通じて大きくその姿を変えてきました。
彼女は、悲劇のヒロインであり、勇敢な戦士であり、そして天真爛漫な少女でもあります。
故郷を失い、たった一人で宇宙を彷徨い、ようやく見つけた安息の地でさえ戦いに巻き込まれる。その過酷な運命は、『ダンダダン』の世界で理不尽な怪異や宇宙人に立ち向かうモモやオカルンの姿と重なります。
彼女が綾瀬家という新しい「家族」を得て、少しずつ言葉を覚え、笑顔を取り戻していく過程は、この物語が描こうとしている「絆」や「再生」というテーマそのものを体現しているのではないでしょうか。
ただ可愛いだけじゃない。ただ強いだけじゃない。悲しみを背負いながらも、前を向いて仲間と共に戦う。そんなバモラの姿に、俺たちは心を揺さぶられ、応援せずにはいられないのです。
これからも彼女がどんな成長を見せ、どんな笑顔を見せてくれるのか。一人の読者として、固唾を飲んで見守っていきたいものです。
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