
なぜ打ち切られた? 俺たちの愛したジャンプ「打ち切り漫画」傑作10選
漫画・アニメ総合
「え、来週からもう載らないの…?」
週刊少年ジャンプを読んでいて、自分が好きだった漫画の突然の最終回に愕然とした経験、誰にでもあるんじゃないでしょうか。俺はあります。めちゃくちゃあります。「面白かったのに!」「もっと続いてほしかった!」――あのやるせない気持ちは、商業主義の冷たい現実を突きつけられる、オタクにとっての通過儀礼みたいなものかもしれません。
ジャンプのアンケート至上主義はあまりにも有名ですが、そのシステムは年々過酷さを増しています。年間13本始まる新連載のうち、1年後も生き残っているのは、わずか2〜3作品。生存率15%未満って、もはやデスゲームの世界ですよ。
今回は、そんな残酷なシステムの犠牲となりながらも、俺たちの記憶に強く刻み込まれた「打ち切り漫画」の傑作たちを振り返りたいと思います。これは単なる過去の作品紹介じゃありません。なぜ彼らは散っていったのか、そしてなぜ今もなお愛され続けるのか、その理由を少し深掘りしていく鎮魂歌であり、復活への賛歌です。
アンケートという名の地獄。ジャンプ打ち切りシステムの闇
そもそも、なぜこんなにも多くの才能が短期で散っていくのか。元ジャンプ編集長の証言によれば、そこには恐ろしいルールが存在します。
「アンケート2位以下はすべて終了候補」
…正気ですか? つまり、国民的ヒット作である『ONE PIECE』以外は、常に打ち切りの恐怖と隣り合わせだということです。単行本が50万部売れる「プロテクト」ラインを超えない限り、どんな名作の卵も安心して眠れない。これが現実です。
さらにタチが悪いのが、近年のアンケートシステムの変質。かつての「今週面白かった作品3つ」を選ぶ形式は、実質的な「推し作品を生き残らせるための応援投票」へと変わりました。タイパ(タイムパフォーマンス)が重視される今の時代、じっくりとした世界観構築や修行パートは評価されにくい。新人は連載開始早々、読者の度肝を抜く“デカい山場”を作ることを強制されるんです。
SNSでの炎上が順位に直結するなんて話もあります。『魔女の守人』なんて、たった2話目の批判で急落したと言われていますからね。もはや作品の面白さだけで生き残れるほど、甘い世界ではないのかもしれません。
記憶に残る、打ち切り傑作10選
前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。そんな過酷なサバイバルレースから脱落していった、愛すべき作品たちを見ていきましょう。
1. ダブルアーツ(古味直志、2008年)
「打ち切り漫画の金字塔」と言えば、まずこの作品を挙げる人が多いんじゃないでしょうか。後の『ニセコイ』で大ブレイクする古味直志先生の作品です。当時は「展開が遅すぎる」と批判され、わずか3巻で終了。しかし、その丁寧すぎる心理描写と独特な世界観は、むしろ今だからこそ評価されるべきクオリティでした。
面白いのは、作者のブレイク後に評価が180度変わったこと。ファンの熱い要望でジャンプ+で復刻連載が実現し、今でもpixivで二次創作が描かれ続けている。「続きを読みたい」という声が10年以上も止まない。これこそが、アンケートだけでは測れない作品価値の証明でしょう。
2. ROBOT×LASERBEAM(藤巻忠俊、2018年)
『黒子のバスケ』の藤巻先生が次に描いたのは、なんとゴルフ漫画。この時点で「お?」と思った読者は多かったはずです。結果として、ジャンプのメイン読者層とゴルフという題材がマッチせず、約1年で終了。
この作品で忘れられないのが、あるファンの「大好きな漫画が打ち切られる瞬間を初めて観てしまった…こんなの見たくなかった」という悲痛な叫び。これ、分かりすぎますよね。作品への愛が深いほど、打ち切りの傷は深くなる。黒バスとは違う、リアルなスポーツの面白さを描こうとした挑戦は、決して間違いじゃなかったと俺は思います。
3. ビルドキング(島袋光年、2020年)
『トリコ』という大ヒット作を生んだ島袋光年先生ですら、このシステムの前では無力でした。「建築」をテーマにしたバトル漫画という設定は野心的でしたが、少年読者の心を掴むには至らず、3巻で終了。『トリコ』のぶっ飛んだ世界観を期待していたファンとの間に、少し距離があったのかもしれません。大御所でも容赦ない。ジャンプ、お前…本当に恐ろしい子!
4. サムライ8 -八丸伝-(岸本斉史原作、2019年)
さて、ここからは少しゲスい話になりますが…この作品は色々な意味で伝説です。『NARUTO』の岸本先生が原作に専念した鳴り物入りのSF大作。にもかかわらず、5巻で終了。
問題は、同期の作品が次々と打ち切られる中、明らかに順位が低い『サムライ8』だけが生き残り続けたこと。ネットでは「NARUTOへの忖度だ」と囁かれました。しかし、その忖度も長くは続かなかった。原因は、あまりに情報過多な設定とセリフの多さ。読者からは「岸本先生の才能を編集が制御できなかった結果だ」なんて厳しい声も。天才の暴走は、誰にも止められないのかもしれません。
5. P2!~Let’s Play Pingpong!~(江尻立真、2007年)
「ジャンプじゃなければ絶対に続いていた」と、今なお多くのファンが嘆く卓球漫画。キャラクターの心理描写が繊細で、ストーリーも非常に丁寧。ネットでの評価は当時から驚くほど高かったんです。しかし、それがジャンプの低年齢層には届かなかった。あまりに惜しい、時代と場所を間違えた傑作の典型例です。「P2打ち切りは今も許さない」という怨嗟の声、俺も1票投じたいです。
6. 斬(杉田尚、2006年)
伝説の「打ち切り四天王」筆頭。正直に言えば、画力や設定に色々と言いたいことはあります。しかし、この作品が愛されているのは、その未完成さ、ツッコミどころの多さゆえでしょう。ニコニコ動画で勝手にアニメを作られたり、今でもネタとして語り継がれたり。「この画力でもジャンプで連載できるんだ!」と、全国の漫画少年たちに夢と希望(と少しの勘違い)を与えた功績は計り知れません。
7. ムヒョとロージーの魔法律相談事務所(西義之、2008年)
一度は18巻で完結(打ち切りに近い形)したものの、なんと10年の時を経てアニメ化&ジャンプ+で続編連載という奇跡の復活を遂げた作品。電子書籍で新規ファンが増え、SNSで独特の世界観が再評価されたことが大きいようです。これは、打ち切り漫画にとって最大の希望の光ではないでしょうか。
8. レッドスプライト(屋宜智宏、2016年)
これぞ「THE・少年漫画」といった王道の設定。個人的にも大好きでした。だからこそ、打ち切られた時のファンの嘆きが胸に刺さります。
「少年ジャンプで、こういう漫画が続かなくてどうするんだよ…」
本当にその通り。奇をてらった設定が評価されやすい昨今、こういうストレートな王道作品が生き残りにくいのは、少し寂しい現実です。
9. 腹ペコのマリー(田村隆平、2017年)
『べるぜバブ』の田村先生が描いたラブコメファンタジー。これもまた、大ヒット作家の次作が短期で終わるという厳しい現実を見せつけました。「1話は最高に面白そうだったのに…」という声が多かったのが印象的です。期待値が高すぎた故の失速、というのは漫画連載の難しさを物語っていますね。
10. 魔々勇々(林快彦、2024年)
記憶に新しい、最新の打ち切り事例。勇者と魔王が入れ替わるという王道ファンタジーで、絵も綺麗で面白かった。しかし、『呪術廻戦』や『チェンソーマン』といった大ヒット作がひしめく今のジャンプでは、ただ面白いだけでは埋もれてしまう。ファンタジーというジャンル自体が飽和している中で、突き抜けた「何か」がなければ生き残れない。現代ジャンプの過酷さを象徴する一作と言えるかもしれません。
打ち切りは終わりじゃない。デジタル時代が与えたセカンドチャンス
ここまで悲しい現実ばかり語ってきましたが、希望もあります。『ムヒョロジ』の復活劇が示すように、デジタル時代が打ち切り作品に第二の人生を与え始めています。
ジャンプ+での復刻、電子書籍での再発見、Netflixでのまさかのアニメ化(鈴木央先生の『ライジングインパクト』がそうですね!)。かつては単行本が絶版になれば、作品に触れる機会はほぼ失われました。しかし今は違います。SNSで誰かが「この打ち切り漫画、実は名作なんだぜ」と呟けば、それがバズって作品が掘り起こされる可能性があるんです。
俺たちの「もったいない」が作品を永遠にする
結局のところ、これらの作品がなぜ俺たちの記憶に残り続けるのか。それは、読者の「もったいない」という強烈な共感があるからに他なりません。「ジャンプじゃなければ」「時代が違えば」…そんな読者の想像力と愛着が、アンケートの数字だけでは測れない価値を作品に与え、単なる失敗作から「愛すべき悲劇の傑作」へと昇華させているんです。
打ち切りは、作家にとってはもちろん辛いことでしょう。しかし、それは決して終わりではありません。『七つの大罪』で大成功した鈴木央先生も、『ニセコイ』でリベンジを果たした古味直志先生も、ジャンプでの打ち切りを経験しています。
アンケート至上主義のシステムで散った無数の才能たち。彼らの物語は、俺たちファンの心の中で永遠に輝き続けます。そして、いつかどこかで再評価される日を、俺は静かに待ち続けたいと思うのです。
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